自由法曹団京都支部

意見書・決議・声明

2006年11月16日
各 位
教育基本法「改正」案の衆議院での採決に抗議し、廃案を求める意見書

自由法曹団京都支部
  幹事長 弁護士 村井 豊明
  事務局長 福山 和人

 政府与党は、本年11月15日、衆議院教育基本法に関する特別委員会において、教育基本法「改正」案を野党欠席のまま強行採決し、本日、衆議院本会議においても野党欠席のまま採決を強行した。

 しかしながら、本年9月2日に青森県八戸市で行われた、政府の「教育改革タウンミーティング」において、内閣府が自ら、教育基本法改正案に賛成の立場で質問するよう参加者に依頼していたことが報じられた。その後の調査では、8回の「教育改革タウンミーティング」のうち、5回にもわたって「やらせ質問」が行われていたことが判明したと報じられている。
  本年5月24日の教育基本法に関する特別委員会において、小坂文科大臣(当時)が「全国各地で教育改革フォーラムあるいは教育改革タウンミーティングなどを開催いたしまして、これまた国民の意見を聞く機会を設けてきたわけでございまして、さまざまな手段を講じまして、国民的な理解や議論を深めつつ、教育基本法の改正についての取り組みを進めてきたところでございます。こうした5年以上にもわたるさまざまな取り組みを踏まえまして、今回の教育基本法を提出させていただいたところでございます。」と答弁したように、政府与党は、これらのタウンミーティングを通して国民の合意形成を図ってきたことを教育基本法「改正」の口実にしてきた。
  しかしながら、「教育改革タウンミーティング」において「やらせ質問」が行われてきたことが明らかとなり、政府のいう教育基本法「改正」の口実が崩れたばかりか、現在審議されている教育基本法「改正」案そのものの国民的・民主的基盤も崩れたものと言わなければならない。
これまで、自由法曹団京都支部では、教育基本法「改正」案に対し、競争教育を強化し、現在問題となっている格差をさらに拡大、固定化させるものであること、愛国心を強制すること、教育内容に国家が介入することなどの問題点を指摘し、廃案を求めて行動してきた。
 この間、中学生のいじめによる自殺の問題や、高校での必修科目の未履修の問題など、教育を巡って様々な問題が表面化しているが、教育基本法の「改正」により、さらに競争教育が強化されることになれば、これらの問題は解決するばかりか、ますます深刻化することは明らかである。
 今国会では、これらの問題が生じている原因を明らかにし、打開の方向を論議することこそが求められている。にもかかわらず、立法事実も明確にできない教育基本法の「改正」を急ぐなど、まさに拙速に過ぎると言わざるを得ず、全く許されない。

 以上の点から、自由法曹団京都支部は、衆議院教育基本法に関する特別委員会と同本会議における強行採決に厳重に抗議するともに、改めて教育基本法「改正」案の廃案を求めるものである。
以上